4月 1日マレーシア国境再開。各企業の採用意欲の高さも続く
マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)と日本貿易振興機構(JETRO)クアラルンプール事務所が共同で実施した「2022年度日系企業アンケート調査」では、生産・稼働状況についての質問に製造業の 4割近くが「新型コロナウイルス流行前の水準以上」と答えており、回復基調が強まっています。一方で、労働者不足やサプライチェーン(調達・供給網)の混乱による製品・部品・原材料の納品遅延などは課題となっています。
また、5月 1日から最低賃金が大企業を中心に 1500リンギに上がるとの報道もあり、今後この賃金改定の影響がどのように現れるのか注視していく必要があります。2022年 4月 1日より入国制限が撤廃され、観光客も含めて 2年ぶりに入国再開しました。それにより、観光業界の状況も徐々に改善していく兆しが見えます。
【求人数】
対前年四半期比 120%
対前四半期比 105%
[企業の採用動向]
前期比 5ポイント増、前年同期比 20ポイント増と、前期比・前年同期比ともに、求人数は増加しています。例年、旧正月後の採用活動が企業・候補者ともに活発化する傾向にあり、昨年はコロナ禍により例年の傾向が大きく見られませんでしたが、今年は完全にコロナ禍前の採用市場に戻ったと、求人数の増加からも見て取れます。また、2022年 1月に JAC Malaysia が実施した「雇用動向調査」における採用計画の質問項目について、回答企業の 49%が今年は増員を計画しており、2021年と比較して、約 1.4倍の企業が増員を計画しています。
4月から国境が解放され、現地での市場調査などの往来も容易になったことから、日系企業の新規進出、新規投資も昨年に比べて徐々に戻りつつあります。上記の状況から、第 2四半期も引き続き、活発な採用活動が続くと予測されます。
[求職者の動向]
昨年コロナ禍では求職者も慎重に動いている様子でしたが、JAC Malaysiaの登録者数は昨年同期比で 2倍に増加し、各企業での積極的な採用と比例し、求職者の転職意欲も全体的に高まっています。日本人求職者についても、昨年は日本国内も緊急事態宣言が続いていたことから、様子見であった求職者が多くみられましたが、今年は積極的に日本国外での転職活動を進めている様子がうかがえます。