日本ではそこまで身近ではない存在のデング熱ですが、東南アジアでは例年デング熱の感染が流行、今年はアジア全域で例年より感染者が増加しています。蚊を介して人に感染し発熱や嘔吐などの症状が現れ、基本的には7日程度で回復する疾患で、きちんと治療をすれば死亡率は1%以下と怖がる必要はありません。自然治癒を待たずに、少しでも疑わしい症状が出た場合は早期に病院にいきましょう。
~初期~
人によりますが骨(特に腰)が痛い、悪寒がする、発熱といった症状が出るようです。マレーシアの病院ではインフルエンザ検査を受けることによりデング熱の感染がわかるそうで、血液検査で陽性が出たら感染は確実です。
~入院~
程度によって入院、自宅療養と手段はあるようですが、入院する場合、保険に加入している方は保険が適用される病院か(キャッシュレス、一時立替が必要な場合もあり)、事前に確認しておいた方が安心です。
デング熱はワクチンや確立された治療法がないため、点滴で栄養を補給し血小板の値が通常に戻るのを待ちます。人によって症状は異なり、食欲がでない、吐き気、発熱などで辛い方もいるようですが、症状が軽く食欲もすぐに回復する方もいます。血小板の値が上がるのを待ってからの退院となり、仮に5日間私立病院に入院した場合の入院費用は約RM6000前後(日本円で約16万円)です。※病院や入院日数によって金額は異なります
~退院後~
症状が重い場合には数日から1週間程度の自宅療養が必要です。人によっては回復後期には手足に発疹ができたり、肌が乾燥し痒くなるそうですが、完治が近い証拠です。全快してもしばらくの間は免疫が下がっていたりと体調を崩しやすくなりますので、無理をせずに気をつける事が必要です。
~予防・治療~
パパイヤの葉:血小板を増加させる成分が含まれる他、合併症を抑制する働きもあり、マレーシア政府もお墨付きをするほどの天然治療薬のようです(最近科学的にも証明されつつあるようです)。
市販でもジュースやカプセル状のものがあります。ただ、症状を感じた際には自分で治そうとせずにまずは病院に行きましょう。
蚊はよどんだ水などで繁殖するため、庭やベランダのバケツ、プランター、花瓶の水がたまっていないか確認し、工事現場など衛生環境が良くないエリアもなるべく避けた方が良いかもしれません。
マレーシアやシンガポールでは蚊対策に力を入れていて、駆除、わなの設置、繁殖を抑制する菌を持つ蚊を利用した試験的駆除なども行っています。過度に心配する必要はありませんが、日常的な蚊対策や健康体の維持に気をつけましょう。