日本からマレーシアに転職すると給与相場も異なり、且つ為替の影響もあるため、日本と比べると給与が目減りしたように感じてしまうことがあります。
しかし、マレーシアでは銀行の定期預金(Fixed Deposit)や従業員積立基金(EPF)などを利用し、日本よりも貯蓄がしやすい環境であることをご存知でしょうか。
今回はこれら2つの一般的な貯蓄方法を解説します。
銀行の定期預金(Fixed Deposit)
マレーシアにはいくつかの主要銀行がありますが、各行とも定期預金の金利は概ね3%前後で、定期預金の期間が短いと3%以下になる場合もありますが、1年の定期預金は3.1%前後です。
また、時期によってはお得な「プロモーション」を提供している銀行もあり、一定の金額制限や期間等の条件がありますが、3%台後半や中には4%以上のものもあるようです。
さらには、マレーシアでは利息に対して税金がかからないため、定期預金の期間が過ぎても、元本と利息に対して再度3%程度の金利で定期預金を継続することが可能です。
ただし、金利はマレーシアの中央銀行(Bank Negara)が決定するため常に変動し、またペイオフ制度もあるのでご自身でのリスク管理が必要です。
日本では最近、ネット銀行の金利が比較的良いようですが、それでも0%未満なことを考えるとマレーシアで定期預金したほうが断然貯蓄できますね。日本のメガバンクは0.01%と、もはや論外かもしれません。
従業員積立基金(EPF)
マレーシアで働くとEPFという言葉を耳にしますが、EPFはEmployees Provident Fundの略で従業員積立基金を意味します。
EPFは民間企業に従事する国民のための社会保障制度のひとつで、従業員の月給の12%以上を雇用主が、11%を従業員本人が、毎月同時に積み立てていくもので、基本的には55歳になるまで引き出すことは出来ません。(ただし、積み立てた3割分を住宅購入、医療費、教育費に充てる場合は55歳以下でも引き落とすことが可能)
また、EPFは積み立てた資金を拠出建てで運用しており、その運用利回りはここ数年5%以上で推移しています。
月給の23%(雇用主12%、従業員11%の合計)を毎月積み立てし、年利も5%つくと考えると、かなりのスピードで貯蓄できると思いませんか?
マレーシア人はEPF加入が義務付けられていますが、私たち外国人のEPF加入は義務づけられていないため、加入可能かどうかは雇用主(企業)の判断によります。
また、現時点でのルールでは、55歳を待たずに日本への帰国や他国へ移住することになった場合、積立金の全額を引き出すことが可能です。
尚、ルール等は予告なく見直される場合があるため、随時EPFのウェブサイトで確認が必要です。
EPFに加入できなかったとしても定期預金は可能ですし、日本人のファイナンシャルプランナーなども存在しますので、日本以上によい条件で、マレーシアで効率よく貯蓄をしてみてはいかがでしょう。
※これら情報は2019年11月現在のものです