マレーシア人、特にムスリムの多くが毎年楽しみにしているハリラヤ(Hari Raya)を、いよいよ今週末5月24日、25日に迎えます。
イスラム国家であるマレーシアでは、毎年ラマダン(Ramadan :断食)がハリラヤの前に約1カ月ほど行われ、この間は毎日日の出から日没までの間飲食を断ち、また禁欲が課せられます。ハリラヤは苦行を乗り越えた後のお祝いで、特にイスラム教徒たちの楽しみでもあります。
現在のマレーシアの状況(5月21日現在)
5月4日には、条件付き活動制限令(Conditional Movement Control Order:CMCO)がクアラルンプールならびにいくつかの州で施行され,現在大部分の経済活動及び社会活動が特定の作業手順書に基づき許可されています。条件付き活動制限が続く中(6月9日までの予定)、国民のイベントであるハリラヤを迎えることになります。
条件付きでハリラヤの祝賀が許可
通常ハリラヤでは、自身の故郷へ帰省(Balik Kampung:バレカンポン)し、家族と食卓を囲み断食明けを祝います。また、中には近所の人や友人を自宅に招き、食事をふるまうオープンハウスを開催する人たちもいます。
今年は異例の活動制限下ということで、州を跨いだ移動や大人数での集会はできないものの、下記のような条件付きでの祝賀は許可されています。
▽祝祭期間の初日に限定し、家族・身内のみ最大20 人までの集会が可能
▽マスクの着用
▽社会的距離(1メートル)の確保
▽頻繁な手洗いと手指消毒の確認
▽握手など接触を伴う挨拶の禁止
▽大皿から取り分けるビュッフェ式食事提供の禁止
また、例年この時期はハリラヤへ向けた食材の調達や新しい衣類、飾り、雑貨などの購入でショッピングモールや食料品店が賑わうのですが、今年は例年ほど人は多くないものの、買い物客を適度に見かけ(勿論マスク着用、ソーシャルディスタンスを保ちながらのショッピングです)ハリラヤを楽しみにしている様子が伺えます。
弊社のムスリムのスタッフも今年は帰省できない者が多く、自宅近くに住む家族や親戚の何名かでお祝いするようです。
2020年は、これまで以上に家族や友人と過ごる時間を有難く感じるハリラヤとなりそうです。