転職エージェントが考えるキャリアプランの描き方
転職活動の現場でよく聞かれる「キャリアプラン」という言葉。転職をする、しないに関わらず、「ご自身が今の職場で、どのような業務を担っていきたいのか」「10年後には、どうなっていたいのか」といったキャリアプランが具体的に定まっている方は、意外と多くないかもしれません。
転職活動をする際、ご自身の軸となるべきキャリアプランが不明瞭なまま意思決定を行い、その時に希望する企業に入社できても、「事前にイメージしていた状況と違った…」「思い描いていたようなやりがいが得られない…」など、様々なギャップに直面する事態が生じ得ます。
逆に、キャリアプランをしっかり定めておくと、現在のご自身に何が足りないのかを明確にすることができたり、目標とするゴールに向けて本質的に必要な事が具体的にイメージできたり、そして、転職活動の際のミスマッチが削減できるといったポジティブな効果が期待できます。
本記事では、転職活動のプロフェッショナルである転職エージェントのJACが、失敗しないキャリアプランの描き方についてお伝えしていきます。
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キャリアプランを考える意義
「終身雇用制度」が当然であった時代、個人のキャリアプランは所属している企業に完全に委託された状態にあり、「ご自身でご自身のキャリアについて考える」行為自体が、一般的な概念ではありませんでした。
そこから時代は移り変わり「JOB型雇用」が注目を浴びる昨今、「ご自身で、ご自身のキャリアについて考える」行為は、逆に当然の前提になりつつあります。
● ビジネスパーソンとして、どのようなになりたいのか?
● ビジネスパーソンとして、どうありたいのか?
● ビジネスパーソンとして、どういった価値を世の中に提供したいのか?
● どのような状態であれば、幸福を感じられるのか?
ご自身に問いかけながら、理想の状態を想像したうえで、そこに向かう道を検討します。これは、時代の要請以上に、ビジネスパーソンとして生きるうえで本質的なプロセスになったと言えるでしょう。
キャリアプランを検討する意義は、主に3つあります。
自らのモチベーションが高まる
人は誰しも、ご自身が取り組んでいる仕事がどこに繋がっているのかなど、ゴール(あるいは中間地点)や因果関係が見えている時に、モチベーションが高まります。
「あれ、今、自分は何をやっているのだろう?」
「こんな状態で自分は成長できているのだろうか?」
「自分の今の仕事には、どのような意味があるのだろう?」
そうした不安を感じたことのある方は、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。ご自身が今いる環境の中で、どのような立ち位置で仕事に取り組んでいくのか、仮に大変な状況であっても、思い描くキャリアプランに沿って成長できたり経験が積めたりしているのか。
将来、ご自身がどうなりたいかが明確にイメージできれば、日々の仕事に目的を持ち、主体的に取り組むことができるようになります。
今の環境で得られる事、得られない事が明確になる
自らの将来における目標が適切に設定できたら、
● 今ご自身がいる環境で何ができるのか?
● 何が得られるのか?
● 何をしなければいけないのか?
が、明確になります。
今のご自身に足りていないスキル・経験、さらに伸ばす必要がある能力、これらを自覚することで、モチベーションだけでなく、仕事から実際に得られる経験値も変わりますし、場合によっては、業務時間外で取り組むべき自己研鑽が何であるのかも明確になります。
そのうえで、ご自身が今いる環境でさらに成長できそうか、あるいは、さらなる成長のためには環境を変えるべきかの判断が正確になり、転職が必要な際におけるご自身自身の腹落ち感や覚悟も醸成できます。
転職活動における面接官へのアピールがしやすくなる
現職の環境を変えるために転職活動を行う必要がある場合、自らのキャリアプランがしっかりと定まっていると、次の就職先の検討において、また、選考過程における面接プロセスにおいて、非常に大きなメリットがあります。
実際に、応募先の企業において「ご自身が求めるキャリアゴールに近づいていけるのか否か」が判断軸になると、仮にそれが得られないことが選考過程で判明した場合は「その企業を選ばない」という正しい選択にもつながります。採用面接官の側からも、あなたが入社後にどのように活躍してくれるのか、自社のビジョンとあなたの目指すゴールが同じ方向を向いているかを具体的にイメージすることができ、採用のミスマッチが起こりにくくなります。
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キャリアプランの具体的な検討手順
それでは、ご自身自身でキャリアプランを検討する際には、どのような手順を踏んでいけば良いのでしょうか。ここからはキャリアプランを考えるにあたっての具体的なステップについて見ていきます。
ご自身自身を知る
キャリアプランを検討する際にまず行うべきことは、ご自身自身への理解を深めることです。ご自身が一体、どのようなことに幸福感を感じているのか、満足感はどこから得られているのか。また、本当に大事にしている価値観はどういったものなのかを、キャリアプランを立てる際のゴール設定のために自己理解が欠かせません。
そのためには自己分析を行い、ご自身のことを改めて知る必要があります。
● ご自身がどのような業務をこれまで行ってきたのか
● 具体的な成果にはどのようなものがあるのか
● ご自身の強み・弱みは何か
● どのようなスキルを保有しているのか
● どのようなことに興味があるのか
などをご自身に問い、どのような適性があるのかを確認しつつ、ご自身が何をやっている時、何を成し遂げた時が、最もやりがいや喜びを感じられたのかを振り返ってみましょう。
また、上記のようなキャリアシーンだけでなく、幼少期からのご自身がどのような人生だったか、仕事以外の場面を振り返ってみても自己理解が深まるかもしれません。
ご自身の市場価値も可能な限り把握する
キャリアプランを現実的に検討するためには、ご自身の中の絶対的価値観の深堀だけでなく、相対的な市場価値についての情報も必要となります。
自社内においては、先輩・同僚・部下などと比較して、現在のご自身がどれくらいの職務遂行能力があるのかをある程度把握できるかもしれませんが、他社の同世代と比較してどうなのか。いわゆる市場価値については明確につかめないかもしれません。特に、転職経験がなくひとつの企業にしか所属したことがない場合、具体的にご自身の市場価値を相対的に把握するのはより難しくなります。
社外の交友関係から情報を得たり、転職サイトに登録してみたり、転職エージェントに相談してみたりするのも良いでしょう。
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キャリアのゴール設定を明確にする
次に行うことは目標とするゴールを明確にすることです。自己分析を行った上で、ご自身の適性や保有スキルから、どのようなゴールに向かって進みたいのか、また、どのような状態であれば実現可能なのかを、より具体的に言語化してみましょう。
たとえば、営業職の方であれば「3年後に現在の営業課長から営業部長に昇進して顧客に対してよりレベルの高い価値を提供できるよう自らの組織を構築する」「自社のクライアント数を2倍に増やし、自社製品のマーケットインパクトを増加させて業界に貢献する」など、目標を数値化することでより具体性を持たせることができます。
現在のご自身とゴールに到達したご自身とのギャップを整理する
キャリアゴール設定ができると、現在のご自身と将来のご自身との間の足りない要素が見えてきます。これがキャリアプラン上、補っていくべきギャップです。このギャップをどのようにして埋めていくのかを整理し、実現に向けた計画を立てる必要があります。
どのような行動をとるのかを考えたら、それが現職の中で実行可能なのか、もしくは現職に勤めつつ社外で実行可能なのかについて検討してみましょう。場合によっては複数の要素のうち、一部であれば現職で改善・成長が可能であるものの全ては望めないという事もあるかもしれません。そうした場合は、優先順位付けも併せて検討してみましょう。
現在、就業している企業内において、ご自身のキャリアをどう描くのかを考えるうえで、人事制度についてはしっかりと把握するようにしましょう。下記のようなことが、正しく把握することができます。
● 「等級制度」「評価制度」「賃金制度」「研修制度」が、どのようにプランニングされているのか
● これらの内容を正確に理解しておくと、ご自身が考える時間軸が正しいのか
● ご自身が考える状態が具体的に実現可能なのか
● ご自身がギャップを埋めていく上で、社内リソース・サポートが活用できるのか
キャリア面談の機会を活用する
キャリアプランは、未来永劫変更できないものではありません。市場の変化や所属企業内の環境の変化によっても、目指すべきゴールを変える必要が生じる事が有り得ます。
最近は、キャリア面談を自社内で実施する企業も増えてきていますが、年に1回程度はそうした機会をとらえて、自らのキャリアプランを見直してみるのがおススメです。その結果「設定したゴールに向けて正しい過程を踏んでいるのか」「ズレが生じているのであれば修正可能か」「修正が難しくゴール設定を変更しなければならないのか」といった確認をすることができます。
その際もし、計画していたキャリアプラン上、プロセスを進める事が、現在の環境上難しいことが分かった場合には、たとえば配置転換を申し出るなど、改めてご自身の目指すゴールを再設定することも検討してみましょう。配置転換すら難しい環境である場合は、転職を考えるタイミングかもしれません。
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キャリアプラン実現にむけての留意点
キャリアプラン実現に向けて、いくつか留意すべきポイントがあります。以下の項目について、キャリアプランを検討する前に意識しておくと良いでしょう。
キャリアプランは柔軟に
今、この瞬間の価値観が、未来に渡って継続するとも限りません。ライフステージ・ライフイベントによって、自らの価値観の大転換が生じる事もあるでしょう。キャリアプランを検討する際には、ご自身自身の理想の形は柔軟に設定できるものであり、いつでも軌道修正ができると認識しておきましょう。
キャリアプランは現実的に
キャリアプラン上、設定するゴールは、実現可能な目標がベストでしょう。敢えてチャレンジングな目標設定をして自らをストレッチする!という考え方も有りますが、現在のご自身とのギャップが広がりすぎると、成長感を得るためのステップの難易度が上がりすぎ、モチベーションを下げるリスクも生じ得ます。
実現できるかどうかが、ご自身の努力というよりは環境に依存する場合、今いる環境で不可能な事が分かったのであれば、環境を変える判断も必要になります。逆にやみくもに環境を変える行為が、キャリアプランを遠回りさせることも有り得ます。個人の努力で前に進めるのか、環境変化も併せて必要なのか、こうした現実検討も重要です。
海外で実行可能なキャリアプラン検討をJAC Recruitmentがサポート
さて、これまで述べてきたキャリアプラン検討のプロセスや留意点は、日本国内外を問わずにベースとなる考え方ですが、もしも「海外キャリア」を追求したい、もしくは自らのキャリアゴールに向けて「海外キャリア」を必要とする場合、日本国内に比べ現実検討のための情報が得にくいのが実情です。
実際に海外キャリアに挑戦するうえで、「一体どの程度実現可能性があるのか」「今のご自身において、埋めなければならないギャップはどこにあるのか」といった悩みをお持ちの方、特に、周囲に経験者やアドバイザーが居ない方は、ぜひ、JAC Recruitment にご相談ください。
JAC Recruitment ジャパンデスク、および、各国現地在住のコンサルタントが、市場感について、必要な要件について、現実的に挑戦可能な機会について、直近の情報をふまえてお伝えできます。イメージの世界だけでなく、「海外キャリア」をふまえたキャリアプランを具体的に検討する事ができるようになるでしょう。
将来のご自身のため、今のご自身のため、ぜひ、ご自身らしいキャリアプランを描いてみてください。